こんにちは。柴田です。
今日はエクササイズを行う・教える(教えられる)ということについて、僕の考えをお話してみようと思います。これはあくまで生徒さんに伝えるときに気を付けていることであって、正しい・間違っている、良い・悪いというものではないので悪しからず。

それちゃんとできてますか?

みなさんは筋力トレーニングやストレッチの情報に触れる機会はYouTube、Instagram、ブログあたりが多いかと思います。実際、参考になることが多いので僕もよく利用しています。効果を出したい部位とやり方を説明してくれるのでとても助かりますよね。でも実際やってみると「あれ?全然効いてない(伸びてない)?」なんてことがままあります。身に覚えがある方はこんなポイントを疑ってください。

〇身体的な能力が「効果を出したい部位に」「その動作で効果を出せる」レベルに至っていない
特定部位の柔軟性、筋力が不足しているパターンですね。ある動作を行うには相応のレベルが必要になります。というとRPGみたいですが実際にそういうものです。段階的に能力を向上させていけば徐々に体が追いついてくるため、諦めなければ何とかなるといえば何とかなります。ただ、分不相応な動作をすると逆に体を痛めてしまいかねないので注意が必要です。

〇身体操作の技術が追いついていない
ある動作を実践するために使うべき筋肉が使えていない、使っているときに優位になっていないパターンです。例えば「頭の上まで手を挙げて下さい」という指示に対して肩(いわゆる三角筋)ばかりを使うのか、肩甲骨周辺の筋力も総合的に使うのかという違いです。前者は肩甲骨の動きが小さく、肩関節にかかる負荷が大きくなります。後者は肩甲骨の動きが大きく、肩関節の負荷は小さくなります。と、言うのは簡単なんですが、ちょっと問題がありまして…

①見かけで分かりづらいので説明がないと動画や写真から読み取りづらい
②説明があってもどうすればそこ(肩甲骨周辺の筋肉)の力を使えるのかわからない
③特定の部位が使えていないと効果が出ないどころか、症状を悪化させる可能性がある

という感じです。これが厄介なところで、アスリートと呼ばれる人でもこの手の身体操作ができていないケースはありますし、運動習慣がある方でもできている人は稀です。「〇〇の筋肉が使われている(伸びている)のを意識してください」みたいなガイドの真意がこれですね。日常生活で身体を壊してしまう(慢性通とか)のは、これも要因になっていることがあります。意識的な身体操作には内面の動きを感じる力が必要になるので、これも難しさを増している要因かと思います。

ポイント伝えてますか?

様々な理由から、内容を伝えきれないことがあります。この記事にしても、長くならない様にめちゃくちゃ端折って説明しています。

〇本人が”できてしまう”人の場合
元アスリートや元パフォーマーといった身体操作が比較的得意な人に多いタイプですが、結果を出すために影響が大きいコツを的確に実践できているので、かつて自分がした苦労とかを忘れてしまっていたり、できない人が”現在”何に苦労しているのか、そのために必要な身体能力や身体操作が何なのかに想像が及ばいことがあります。できてしまう人からすると「この位置に腕を動かせば”自然に”使われるはずなんだけどなぁ」となるんですが、それが自然にできないから困ってるって話です。僕もできない側の人間なので、この辺りが骨身に染みてわかります。なので、できない人に伝えるためには、適切な言語化と再現性の高い手法をセットにする必要があると考えています。

〇エクササイズそのものでお客様から対価を得ている場合
「どうすればきちんとできるのか?」の細かいポイントを発信しないことがあります。これにはちゃんと理由があって、「そこを落とし込むのが売り(お客様から対価を得ている)なのに、全部タダでばら撒いたら不誠実極まりない行為になる」からです。多くの方の困りごとを解決したい・おすすめの方法を共有したいという想いはあるものの、線引きはしないといけないので、入口としての動画はそれなりの内容にというところですね。一般的なトレーニングや見かけ上のやり方は公開することもありますが、お客様に提供するものはより価値が高かったり、実践的な内容となります。

まとめ

エクササイズを行うにあたって大事なのは、現実を把握して受け入れることリスク・リターンのバランス取りです。早く効果・結果を出したいという気持ちはわかるのですが、近道をしようとせず無理のないことからコツコツ実践していきましょう。そして、情報を得て形をなぞるだけでなく、何を伝えようとしているのかを読み取ろうとする姿勢が、みなさんの困りごとを解決する助けになってくれるので、能動的に学ぶことを意識できると変化を感じ取りやすくなるかと思います。