こんにちは。柴田です。
今回はキネティックチェーン(運動連鎖)についてお話しします。筋肉は互いに影響し合っていて、力を発揮したり、それを伝えるにはこの連鎖を安定的に、そしてスムーズに使う必要があるという仕組みのことですね。

効果の一部を紹介すると以下のような感じです。
・姿勢や動作の安定性が高まる
・本来筋肉が持っている能力を発揮できる
・関節の保持・動作に無理が起こりにくい
・運動全体のエネルギー量は高まる傾向にある

できていないと、これの真逆をデメリットとして受け止めることになる可能性があって、体へのダメージが高いわりにトレーニング効果は低くなるというケースもあります。
無意識にできちゃう人は良いんですけど、意識しないと使えない人間にとってはあらゆる運動の効率が悪くなる上にリスクが爆上がりしちゃうんですよ。イヤですねぇ。

トレーニングにおける変化

実際のビフォーアフターな事例をあげます。ジムにて女性のウェイトトレーニングについてアドバイスをさせていただきました。

チェック前
・グルートマシン(お尻の筋肉)17.5kgがギリギリ。20kgは動かない。(事実)
・17.5kgで腰の周りに違和感を感じ、少し無理をしている気がする(本人の感覚)
・見かけ上のフォームはほぼ間違っていないが、速度制御のムラと軸のブレが見える。(私の目線)

という状態でして、些細な違いを調整するために体の操作方法を修正してもらいました。その結果、以下の変化がありました。

・17.5kgが軽く上がるようになり、その場で25kgを扱えるように(事実)
・力が入り切る感じがする。25kgでも修正前の17.5㎏と比べて関節の負担が少なくなった。手順は簡単なので慣れるまで意識していきたい。(本人の感覚)
・ムラもブレも減ったけど、まだまだ高い筋力を発揮できそう。(私の目線)

この間1分…というのはオーバーですが、せいぜい3,4分くらいです。「嘘でしょ!?」と思われるかもしれませんが、ポイントをおさえるだけでこれだけの差が出ちゃいます。単関節であれ、服関節であれ、力を発揮するには、ただそこに力を入れれば良いという事ではないわけです。慣れていなくてコレなので、ここからグングン伸びていくと思うと他人事ながら楽しくなりますね~。今回はトレーニングを例に挙げたので、最大筋力を使う方向となりましたが、複雑な運動であればより小さな力でより大きな効果を出すこともできます。今の体の使い方に疑問を持つところから始めてみると何か見つかるかもしれませんね。

日常生活に置けるメリット

1日に起きている時間が16〜18時間だとして、一般の方はエクササイズ以外に使っている時間がほとんどかと思います。この間、ずっと姿勢が悪い人もいれば良い人もいるのですが、姿勢を整えるのってこの連動がめちゃくちゃ重要で、意識的・無意識的に使えていると日常生活で動員される筋肉の活動量が段違いなんですよ。運動習慣がない人にとっては少し気をつけて生活するだけでエネルギー消費が何割かアップしちゃう可能性すらあるので、時間のない方ほど有効な手ではないかなと思います!この辺りはNEATについて調べていただけると理解が早まるかなぁと思います。姿勢が良くなることによるメリットも同時に受けられて一石二鳥なので、挑戦してみてはいかがでしょうか?

最後に、キネティックチェーン(運動連鎖)という言葉に騙されそうになりますが、これ、本来は止まっているときにも発揮されるものです。ここを抑えていないと応用の幅が狭まってしまうので注意しましょう。日常生活からガチの運動まで、あらゆるところで大事なキネティックチェーン、みなさんも活用してみてください!