この記事はこんな方におすすめ!

パルクールを始めて間もない。
パルクールの考え方を知りたい。
運動効果以外のメリットを知りたい。

1.パルクールを勉強に応用するって?

パルクールというと運動・スポーツ・エクササイズといった印象を持つ方が多いかと思います。移動を軸にした運動によって鍛錬をするので、もちろん間違いではありません。しかし、パルクールの本質は運動を通して身体能力だけでなく、思考力や精神力も鍛えるトレーニングです。何かを学習したり上達させたりする場面においては、この思考力や思考方法を応用すれば良いということになります。

2.パルクールの思考法と応用

目標達成のための初歩的な考え方は「form A to B(A地点からB地点へ)」「step by step(段階的な課題達成)」の2つです。トレイサー(パルクールを実践する人)はこの考え方をベースに行動します。

2-1.パルクールにおける目標・課題設定と取り組み方

パルクールを説明するときに「A地点からB地点へ…」という説明がよく使われます。今いる場所から目標地点まで実現可能な範囲で様々なルートを設定して移動してみようという感じです。A~Bの間でどんな課題設定をするかは自由です。「最低限のルールを決めて、この課題をクリアする方法を自由に考えてみよう」と考えることが多く、「この課題をこの手順で実行する」と考えることは少ないです。算数で例えると…

「最低限のルールを決めて、この課題をクリアする方法を自由に考えてみよう」は「5▢○=△。記号には何を入れてもOK。」という感じです。使える手段は複数あり、どんな行動をとるかで個性が出ます。自分で練習をするときの考え方はこれです。一方で、「この課題をこの手順で実行する」は「1+1=◇。10進数で計算。」という感じです。手順に自由度はなく答えが決まっています。単発の動作を見本に従って覚えるときはこの考え方を使うことがあります。

パルクールでは何を目標にしてどう達成するかはひとりひとりの自由なので、基本的には前者の考え方で取り組みます。とはいえ、動作を覚えるためにリスクを度外視するのはパルクールとは呼べないので、ある程度は後者の考え方も必要になってきます。落としどころとしては、先達や他者の意見を参考にしつつも、「自分に合っているか?本当にこの手順で良いのか?」という視点で考える癖をつけることが、パルクール的な目標と課題への取り組み方となります。

2-2.パルクールにおける段階的な課題達成

パルクールという運動は自己改善のツールであるとともに、問題解決のツールでもあります。例えばパルクールだと、「3mの壁の上に登りたい」「段差で宙返りをしたい」「流れるように動きたい」みたいに目標を立てるのですが、新しいことやより大きなことに挑戦するときには大なり小なりの壁(課題)を乗り越える必要があります。これに対して「いきなり目標そのものに挑戦する」というアプローチを取ることは、パルクールではそんなに多くありません。「より安全で小さい課題から徐々にレベルを上げて目標に到達する」のがパルクールの手法です。

以下は大雑把な手順で、PDR(Prep-Do-Review)という、短いサイクルで改善を繰り返すときに有効な手法です。
1-目標設定をしたら簡単に始められる小さな課題(リスクを無視できるかコントロールできる)に取り掛かる。
 →失敗した時のリスクとリカバリー方法を学習する
2-足りている・足りていないもの(どう強くなれば良いのか?)をハッキリさせる
 →課題を明確にする
3-挑戦しても良いライン(ミスっても怪我しない、許容範囲のダメージ)を判断する
 →リスクの質と程度を考える
4-2~3を踏まえて次のアクションを修正する。
ここまできたら①に戻って繰り返します。

2-3.勉強への応用例

これを勉強に応用すると、以下の様な感じです。
1-これができたら良いなという大目標(B地点)を決めて、現状(A地点)から順にクリアする小目標を複数設定する。
 →具体的に何をできるようにするか+どのようにできるようにしていくかを考える。
2-ひとつの考え方に囚われず、複数の視点や方法で問題について考えてみる。
 →解決手段は他にもあるかもしれないという思考・想像力。目標により近づきやすい方法を探し続ける。

1か月で漢字を100個覚える

・平日は1日15分で5個覚える。週に1回、成果を確認する日を作る。残った1日で復習する。最後の1日に全て覚えているか確認する。
・次の100個は方法を変えて…1日30分で10個覚えて翌日復習なら、最終チェックまで21日で達成できる。
・期間は短縮できるけど成果は高くなるだろうか?成果と効率を両立できる方法が他にもあるんじゃ?

2桁の掛け算をできるようにする

・九九を覚える→筆算(足し算)を覚える→筆算(掛け算)を覚える
・そもそも日本式の九九じゃなくても良いのでは?インド式・アメリカ式・イギリス式は自分に合うだろうか?
・結果が同じなら、過程の相性や有用性で決めても良いんじゃ?

この様に、まず取り掛かれる程度の負荷から始めて、結果が出るか行き詰まるかしたら方法を見直すというサイクルが基本です。逆パターンになりますが、敢えてレベルを下げることで柔軟に考えて、落としどころを探すこともできます。

三角形の面積を求める

・三角比(高校生)が使えそうだ。でもやり方がイマイチわからない。
・だったら三平方の定理や相似(中学生)が使えるんじゃ。まだピンとこない。
・補助線を引いたら(小学生)解けた。中高生レベルの知識があればスムーズだけど、基本をおさえていれば十分そうだ。
・他の場合も、違う視点から見たら解決の糸口が見えるんじゃ?

3.パルクールじゃなくてもできるんじゃ?

と言ってしまえばそうなんですが、パルクールのメリットでありデメリットとなる部分が、考えて・実行するという習慣を強化してくれます。

それは…「考えて、準備して、ちゃんと実行しなきゃ、肉体的にも精神的にも(非常に)痛い目を見る」という当たり前のリスクです。経験も準備もないのに当たって砕けたら大怪我しますし、一夜漬けの不安定な技術で挑戦したらこれまた大怪我をします。

トレイサーは「気を抜いたら怪我をする」という事実が目の前にあるからこそ、攻略法と体の守り方を考えて、恐怖と向き合い、リスクをコントロールして挑戦します。しかも、目標に近づくための小さな課題1つ1つで常に本番同様の負荷がかかります。おまけに、クリアしたからって社会的な評価が上がるわけでもない。じゃあ誰が認めてくれるかっていったら自分自身です。自己効力感を持って課題に取り組んで、達成するので自己肯定感も高まります。これがパルクールという考え方であり生き方です。

社会的評価は上がらないと書きましたが、勉強に応用して良い点を取れば上がるかもしれませんね。勉強に限らず、他の運動や趣味や仕事にも応用できるポイントはあると思います。どうせパルクールするならそのメリットを最大限にいかしてみましょう!
パルクールを習いたい方や体験したい方は、ぜひDojoのパルクール教室をご利用ください。

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