どうも、柴田です。
今回は練習や問題解決に使える思考法についてお話しします。

クリティカルシンキングという考え方がありまして、日本では批判的思考と訳されています。

簡単に説明すると複数の視点から物事をみることで、問題の本質を明らかにし、新たな可能性・解決方法を導くための考え方」

といったところです。日本でも徐々に広まっていて、文科省の教育改革の一環として2012年に提唱されたりしています。それでは、例を挙げながらポイントを紹介していきます。

1.行動や思考の前提を把握し、疑問を持つ

習慣的にやっていること、当たり前だと思っていることに対して疑問を投げかけます。

・なんで準備運動でモンキーウォークするの?どうしてそれが良いの?なぜそう考えるの?

といった感じですね。

習慣的にされている事はその意味や有効性が薄れてきても、「だってそれが常識だから」「いてもやってるから」みたいな思考になりがちです。具体的な目的があって、そのために効果的な方法と言えるのであれば良いんですが…いつものやり方にこだわらず、「他にも良い方法があるんじゃないの?」と疑問を持って、新たな視点を探すこと、より適した手段を見つけようという思考が大事です。

2.背景や環境の重要性の確認

背景や環境が自身の選択にどれだけ影響しているかを認識します。

・○○で宙返りをする。
例:マット、段差、砂場…

・☆☆から△△にジャンプする。
例:段差の上から地面、レールから2m先のレール、橋の上から川…

「マットの上なら失敗しても安心だから飛び込めるけど、固い地面では…布団の上だとどうなるだろう?練習の仕方を変えたら少しできるかも?」

みたいな感じで、前提条件につられて思考も行動も変わる可能性があります。それだけ背景や環境に人間の行動は影響を受けやすいということです。日頃から身の周りの環境と自分の行動をチェックして、環境に振り回されていないだろうか?行動をコントロールできているだろうか?もしかしたら前提が間違っているんじゃないの?と考える癖をつけるのが大事です。色々な状況を想像して、行動や思考がどれくらい前提に依存しているかを常に考えましょう。

3.複数の解決手段を考える

問題解決をするときは、1つの方法にこだわらない様に心がけましょう。

例えば、モンキーヴォルトが苦手な方がやりがちなのが

・助走をつけて勢いで跳びこえる

なんですが、ミスするとまあまあ痛い失敗をしたり、体に痕が残るような怪我につながったりします。勢いも手段の1つですが、他にも筋力・技術・精神力・身体感覚…様々な要素が絡み合ってるものに対して、一点突破で無理をするから事故りやすくなるわけです。安定したパフォーマンスを出すなら、より多面的にトレーニングした方が安全で効率が良い場合が多いです。

というわけで、あらかじめ複数の練習・達成手段を用意してから挑戦しましょう。勢いで越えるのがプランAだとしたら 、3ステップくらいの段階的な動作による練習をプランBとします。さらにプランB’、プランCといくつかの解決手段を作っておきます。AがダメならB、BがダメならCかB’といった具合に自分にはまる方法に次々と切り替えてトライ&エラーを繰り返せば良いわけです。何か1つが上手くいかなくなると、焦りに繋がったりや自分はダメだといった思考に陥りがちですが、こういった思考に引っ張られることも予防してくれます。

4.思慮深い懐疑的な態度

自分が取った行動や成果を(たとえ成功していたとしても)疑ってみるという姿勢です。

例えば、宙返りに何度か挑戦して成功した時の感覚が、

・全力で上に跳んだ

だった場合、「高さを出しすようなジャンプをした」ことを成功のポイントと考えて、同じように繰り返すのですが、動作が安定しないことがあります。高さや上に跳ぶ事は大事なポイントなのですが、「それをきっかけに姿勢や動作にどんな変化があったのか?」という視点が欠けると、安定的な成功に近づくチャンスが遠のいてしまいます。なので、成功・失敗問わずその結果について本質的な原因は何か?を探りつづけることを心がけましょう。

1つにこだわらないこと

4つの考え方に分けて説明しましたが、簡単にまとめると、

1つの視点や方法にこだわらず、内省を行い、従来の思考に批判的・懐疑的に疑問を投げかけ、新しい視点を探る

という姿勢をもち続けることがクリティカルシンキングに繋がるということです。大まかに説明するとこんな感じです。行き詰まりを打破したり、本質的な問題に目を向けるために非常に便利なので常に使える様にしたいですね。様々な動き方や解決方法を模索するのもパルクールの醍醐味なので、楽しみながらやってみましょう!