巻き肩になりやすいタイミング

今回は、巻き肩を特別な道具を使わずに改善する方法を紹介します。が、今回も日常生活で気を付けたいポイントを先に…!
共通動作:手を上げる。書き物をする。本を読む。座る。
10代…授業中の様々な動作。スマートフォンを見る。
20代、30代、40代…事務作業。車などの運転中。電車などでの通勤中。
50代、60代以上…日常生活全般。(筋力の低下が顕著になるため)

巻き肩の特徴

巻き肩と猫背の違いが分からない方もおられるかと思いますので、まず2つの違いをざっくり説明します。猫背の記事と同じなので、そちらを読んでいただいた方は飛ばしてください。

猫背:「背骨(脊椎)」が丸まって、上体が前傾した状態。悪化すると腰回りも丸まってくる。身長が若干低くなる可能性がある。
巻き肩:胸の筋肉が緩み(張りがなくなり)、肩甲骨周りの筋肉が伸びる(張った状態になる)ことにより、肩関節が前方に出た状態。肩甲骨の内・外転と肩関節の屈曲が影響。

といった感じで、似ているようで症状が違います。とはいえ、相互に影響し合っており、もう一方を悪化させる可能性があるためセットで対策するのが無難です。今回は猫背の対策のみ紹介します。

巻き肩の改善方法

巻き肩でも修正ポイントはいくつかあるので1つずつ説明します。加えて、動作時に呼吸を意識してください。ゆっくりと鼻から息を吸って、ゆっくり吐き出します。鼻から吐くのが理想ですが、口からでもOKです。慣れないうちは鼻の方が若干難しいかもしれませんが、慣れてしまえば鼻のが楽です。また、動作によって相性の良い呼吸方法はまちまちなので、どちらもコントロールできる様になることをお勧めします。

背が丸まって肩が前方に出ている(肩甲骨の可動)
①肩甲骨を背骨に寄せるイメージで肩を後ろに引きます。あくまでも胴~胸部は固定したまま肩だけ引きます。この時、1度息を吸いきってください。背骨の両側に力が入る感覚があればOKです。
②肩を後ろに引いたまま真下に下げます。ここでも、1度吸いきってください。ここも①と同様に背骨の両側・肩甲骨内側に力が入ることを感じてください。肩を前方に下げてしまう方が多いので、鏡などで動作を確認しながらすると良いかと思います。
NG:※胸を前に張り出す、腰を反る

体を横から見たとき、肩~肘のラインが後方に出ている(肩関節の可動)
肩甲骨の可動②の姿勢ができた状態がスタートラインです。
①肘を伸ばした状態で手を開き、親指が正面に向いた姿勢を作る。
②親指が外側に向かって回転するように肩~手の全体をひねる。
③肩~肘を固定したままキープ。肘より先はなるべく脱力する。肩~肘が体の真横~若干前寄りに来ていればOKです。
NG…胸を前に張り出す、腰を反る

どちらのエクササイズにも共通することですが、どこに力が入ったかを意識して、予備動作なしでその力を入れられる、またはその姿勢を取れるようにしてください。日常的に姿勢を維持するのに、毎回こんなわかりやすい動作をしていたら目立ってしまうので…

姿勢についての考え方

姿勢を維持するなら、やろうと思えば1日中続けられる方法を取る必要がありますし、人前でもやれるくらいの動作で習慣化しなければ無意識レベルで姿勢を保つというのは現実的ではありません。姿勢をなおして長期的に維持するには、日常の中でどれだけ続けられるかがポイントになると考えています。あくまで個人の考えですが、「姿勢は無意識的で習慣的な動作の結果が表れたもの」と捉えているので、①日常的に、②気が付いたときに、③いつでも、④どこでも、⑤誰の前でも実践できないと無意識の姿勢や動作の修正を行うことは難しいので、習慣化の壁がかなり高くなってしまいます。
目的が筋肥大であれば別ですが、筋トレやストレッチの様な負荷が高い状態の時に意識できても、日常生活で無意識レベルで常に使い続けられる力でないと姿勢の改善に対する効果はかなり薄いと思います。ちなみに、身体習慣が定着するのにかかる期間は3か月前後と言われているので、少なくともこの期間、姿勢を良くするという意識を保ち続け成ればいけないわけです。猫背をなおしたいからといって、外出中にバンザイしたまま歩いたり、プランク状態でほふく前進したりできませんよね?しかも、ほとんどの方は「長くても数分程度、強い力を込める」トレーニングしかしていないわけですから、一日中適度に力を使い続けるなんて行動は脳が学習していません。僕のレッスンで「筋トレやストレッチを頑張っても、それだけじゃ姿勢を保てません」と伝える理由がこれです。
なので、持続可能な日常行動こそが未来の自分の姿勢を作り上げるのに最適の手段だと考えています。

今回紹介した方法は使っても使わなくても良いので、みなさん自身で無理なく継続できる方法を選んでQOLを向上させていきましょう!