一般的な良い姿勢のイメージ
こんにちは。柴田です。今回は、個人的な「良い姿勢・楽な姿勢」についてお話をしようと思います。簡単にいうと、大して力を入れなくても保てる上に、荷重に強い姿勢を良い姿勢・楽な姿勢と考えています。しかし、一般的には立った状態での「良い姿勢」を聞くと、①「気を付け」や②「かかと・ふくらはぎ・お尻・肩甲骨・後頭部が一直線」な状態を想像される方が多いです。僕の中ではこういうのは「無理のある姿勢」になります。使うべき場はあるので一概に悪いとは言いませんが、どんなところに難を感じるかというと…
①:胸を張るせいで反り腰傾向になりやすい。膝を伸ばし過ぎるせいで逆屈曲になりやすい。肘や手指も逆反りになりやすい。
②:概ね楽な姿勢に近いのですが、ふくらはぎが腰と同じラインになるのは逆屈曲になりやすいので望ましくないです。
両方に共通したポイントは、両肩を真下に向かって押されると姿勢が崩れたり。こらえると膝関節または腰椎付近に負荷が集中して関節が痛みます。実際は押さえられなくても、関節より上にある自重を受けているので、膝が逆に入っていたり、腰が反っている方は絶えず小さなダメージを負っていると考えてください。
柴田が考える良い姿勢・楽な姿勢
僕が考える良い姿勢・楽な姿勢というのは、いわゆる正しい姿勢とか理想の姿勢というものではありません。その方が現状で取りうるダメージが極力少ない姿勢です。なぜこういう表現になるかというと、骨格のゆがみや変形が進行しすぎている方の場合、正しい姿勢を取れないからです。動かないものを無理に動かして、姿勢を「正した」ら…まあ壊れますよね。しかし、部分的に負荷のかかる姿勢を続けていれば姿勢は悪くなる一方です。なので、みなさんに日常的にやってもらいたいのは、現状の機能・能力で維持できるダメージの少ない姿勢を作るということになります。1日の半分以上は起きていると思うので、最大12~16時間は姿勢に体力を回すことができます。数十分の筋トレやストレッチだけしても、姿勢は癖にならないので、1日1ミリずつ1分ずつでも良いので良い姿勢を維持する努力をしてください。それが1か月後、1年後、10年後のみなさんの健康に返ってきます。
プラスで体のメンテナンスを
かといって、筋トレやストレッチの意味がないということはありません。筋力が足りない、体が硬いために特定の姿勢を取れないということはあるので、姿勢や代謝が悪い方は①姿勢の維持に対してゆるやかに意識と体力を使う、②様々なエクササイズで足りない能力を補う…等々、自分の体に必要な対策を行ってください。方法については、YouTubeなどで検索すれば数えきれないほど情報が出てくるので、そちらを参考にされても良いかと思います。レッスンでは具体的な方法もレクチャーしているので、興味がある方は早めにご連絡ください。
余談ですが、マッサージ等の筋肉や筋膜をほぐす系統のサービスは用途を理解して取り入れると良いかと思います。血行の改善やドーパミン・セロトニン・オキシトシンの分泌により、一時的に関節が動きやすくなったり、一時的に痛みがなくなったり、ストレス発散やリフレッシュといったメンタル面の改善効果はあります。なので、この辺りの効果を期待して施術を受けるのはありだと思います。(僕も毎日マッサージされたいです)しかし、痛みが出る根本的な原因(姿勢・動作の不全、怪我等による筋力や柔軟性の低下)を解決するわけではありません。痛みがなくなる・薄れた状態を利用して何らかのアクションを起こさなければ元の状態に戻るだけなので注意しましょう。マッサージしないと体が…と言っている方の中には実はメンタルをやられて中毒気味になっている方もおられるので、心当たりがある方は自分の行動・生活習慣を見直しましょう。
柴田がフィットネス・エクササイズで重視する要素(一部抜粋)
・無理をせず一生涯実践できる方法
・特殊な環境・道具がなくても再現可能な行動・運動
・日常的な姿勢・動作などの根本的な感覚や習慣に対する改善
・体に起こる変化を感じ取り、コントロールする力を高めて、自衛・自己改善を行えるようにすること
姿勢を維持するには?
あくまで個人的な考えですが、日常的な姿勢を変えるには、最低限3つの要素を満たしている必要があります。
日常的に使い続けられる方法:10回x3セットで辛くなるような力を出し続けて日常生活を送ることはありますか?
人前でもできる方法:往来をランジスクワットや四つん這いで歩いたりしますか?
意識を向け続けなくてもある程度維持できる方法:事務作業をしながら腹筋・背筋ができますか?
よほど特殊な環境がある方でない限りできませんよね。姿勢というのは基本的に習慣です。身体的な習慣化は3か月程度かかると脳科学で言われています。つまり無意識的に当たり前に姿勢を整えるには日常的にその状況をどれだけ作れるかがポイントになります。①日常的に、②気が付いたときに、③いつでも、④どこでも、⑤誰の前でも実践できないと無意識の姿勢や動作の修正を行うことは難しいので、この辺りをクリアできる方法を見つけることが、根本的な問題解決に役立つかと思います。
トレーニングについての考え方
目的が筋肥大や柔軟性の改善であれば、筋トレやストレッチの様な特定部位への負荷が高い状態でひとつの動作は長くても数分程度の短時間で行う方法が推奨されています。心肺機能を高めるなら田畑式・HIIT・SITといった方法が圧倒的に高い効果を発揮します。つまり、トレーニングには目的があり、目的を達成するにはより効果の高い方法を選ぶ方が効率が良いということですね。では、日常的に・習慣化をして・無意識で行うといった場合はどうでしょうか?一般的なトレーニング方法はどれも不適切です。理由は単純で、姿勢をなおしたいという目的に対して行動的な特性がマッチしていないからです。日常を変えるなら日常的に行える方法を取るのがより良い手段なので、持続可能な日常行動こそが未来の自分の姿勢を作り上げるのに最適の手段だと考えています。
今回紹介した方法は使っても使わなくても良いので、みなさん自身で無理なく継続できる方法を選んでQOLを向上させていきましょう!
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