この記事はこんな方におすすめ!

・パルクールを練習する環境を作りたい。
・パルクール用のセットを組んでみたい。
・省スペースで保管できる道具がほしい。

1.バランスバー

最近、バランスバーについてのお問い合わせが多いので、必要な材料・道具や作り方、注意点などをまとめてみたいと思います。バランスバーという名前も、仲間内ではそう呼んでいるだけというものなので特に正式名称はありません。バランスの練習だけでなく、ヴォルト、ジャンプ、ぶら下がりなど使い方は発想次第です。「この道具で何ができるかな?」と自由に考えて想像力・創造力を高め、自分がやりたいことを探してみましょう。

2.材料と道具

部品構成はこんな感じです。
・脚部パイプ 4本(20~80㎝くらい)
・足場パイプ 1本(1.5~2mくらい)
・ジョイント金具 かん太なら2組、直行クランプなら4個
・ゴムキャップ 4個

※クランプを使う場合
・クランプカバー 4個
・エンドキャップ 4~6個

①単管パイプ(脚部パイプ&足場パイプ)

ホームセンターなどで売っているものでOKです。太さが48.6㎜のもので、多くの場合は1m単位で販売されています。1mと書かれていても実際の寸法が数センチ長い場合もあります。バランスバーの場合は大して問題になりませんが、作成するセットの構造や規模によっては強度に大きな影響が出ることもあるので注意しましょう。

※パイプの切断について

購入時に1カット100円くらいで切断してもらえますが、店舗によっては行っていないこともあります。事前に問い合わせてからお店に行きましょう。また、切断時に1カットあたり5㎜くらい寸法が落ちていきます。ギリギリのサイズ設定はしないようにしましょう。例えば、2mを4等分したい場合、3カットする必要があり1.5㎝ほど寸法の合計が減ります。この場合、依頼した寸法によって少し差がでます。
①50㎝×4本で依頼する:50cm×3本と約48.5㎝×1本
②49.5㎝×4本で依頼する:49.5㎝×3本と約50㎝×1本
バランスバーとして使う分にはどっちでも問題になりませんが、気になる方は②で作成しましょう。

足場の長さ

1.5~2mがおすすめです。1.5mあれば数歩は歩けるので前後に進む練習ができますし、大人でもそこそこ脚を振り回せるのでヴォルトの練習もやりやすいです。長さが2mに近づいてくるとたわみが気になり始めると思うので、強度に不安を感じる場合は短めにしましょう。

脚部の長さ

脚部は20㎝~80㎝くらいがおすすめです。バランス練習で足場に乗れない、滑落するのが怖い場合は20~40㎝くらいを目安にしてください。ヴォルトを行う場合は膝上~股下くらいの高さがおすすめなので50~80㎝くらいで、体格に合わせて調整してください。あくまで脚部の長さなので、足場の高さは脚部の長さより少し低くなります。教室で使用している物は低い方の脚部が30㎝、高い方は60㎝~80㎝で設定しています。脚部が80㎝を超える場合、ジョイント金具は後述する直行クランプを使用した方が安定性が高くなります。

ここでお勉強の時間です。

足場の高さを決めたい方はちょっと面倒くさいかもしれませんが読んでみてください。平方根以外の部分は小学生の図形レベルなので、算数の勉強がてら読んでいただければと思います。勉強をパルクールに活かす、パルクールを勉強に活かす。どっちもできると良いですね!それでは、足場の高さ設定について考えてみましょう。

バランスバーの脚部を全て同じ長さにして、②で紹介するジョイント金具を使うと地面を底辺とした直角二等辺三角形ができます。図1の「√2」が地面側、「1」が脚部というイメージです。

直角二等辺三角形1

図1

直角二等辺三角形の直角部分から底辺に垂線を引いた場合、底辺は二等分されます。そうすると、元の直角二等辺三角形に対して半分の大きさの直角二等辺三角形ができます。「垂線の長さ」は「底辺の長さ×1/2」と等しいので、「1」を脚部の長さとした場合、底辺の長さの半分が足場のおおよその高さとなります。

直角二等辺三角形-2

図2

直角二等辺三角形の3辺の長さの比は1:1:√2なので、足場の高さ=(脚部パイプの長さ)×(√2÷2)となります。※√2=1.414として計算。
つまり、高さを決めたいときは(足場の高さ)÷(0.707)を計算してあげれば、脚部パイプのだいたいの長さを求められます。
例1) 脚部を70㎝のパイプにする場合 70×0.707=49.49㎝ バーの高さは約49.5㎝
例2) 足場を70㎝の高さにする場合 70÷0.707=99.0099㎝ 脚部の長さは約100㎝

以上で、算数の勉強はおしまいです。実際はいくつかの要因が重なって高さが変動するので、あくまでも目安としてください。
※パイプは線ではなく円柱なので足場パイプの直径分程度は高さが上がると想定する。
※直行クランプの場合は止める位置によって足場の高さが大きくズレる。
※ゴムキャップでのかさ上げ。

②ジョイント金具

株式会社ジョイント工業さんの「かん太」を使用しています。教室で使用しているのはシンプル(S)タイプです。野外(のざらし)にはしないけど、強度はそこそこ欲しいという条件でこちらを選んでいます。
バランスバーの場合は、S-1-3K または S-5-3Y を使用しています。注意点として、足場用の金具ではないので使用する際は強度や損耗の確認を必ず行ってください。そもそもパルクールで使うのは想定外なので、壊れても怪我をしても自己責任です。

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ジョイント工業さんの回し者ではありませんが、たまに見かける類似品は新品でも使用中にパイプがすっぽ抜けるものがあるのでかなり怖いです。個人の感想ですが、ビス止めタイプを使うならかん太シリーズが一番信頼できます。もし、庭など野外に置きっぱなしにしたいという場合は、ホームセンターで売っている直行クランプと自在クランプを使うのが良いと思います。ちょっと無骨で色々飛び出ていたりして運動の際に注意が必要ですが、圧倒的に頑丈で経済的です。

③ゴムキャップ(なくてもOK)

ゴムキャップを使う主な理由を挙げると・・・
・養生のため→屋内で使うときに床を保護できる。※ゴムなので色移りには注意。
・安定性アップ→弾性があるので衝撃を若干逃がしてくれる。パイプより摩擦力が高いので荷重時のズレを軽減してくれる。

柴田が使用しているのは「アラオ 単管ゴムキャップ」です。

屋外でも堅い材質の地面で使うときはゴムキャップ有りのが安定します。土の上などパイプが食い込む場所ではなくてもOK、それ以外の場所ではゴムキャップ有りと大雑把に考えています。

④クランプカバー・エンドキャップ(なくてもOK)

直行・自在クランプはボルト部分や金属のエッジが鋭く接触すると怪我をしやすいので、不安がある場合はクランプカバーを使用しましょう。また、単管を切断すると断面が鋭くなり、接触した際に怪我をする場合があるのでエンドキャップを付けておくと安心です。なくても動く分には問題ないのでお好みで。

単管を扱っているホームセンターであればほぼ置いてあります。1つ100円もしないはずなので、必要な分だけ購入しましょう。amazonだと100個単位とかになってしまうのでリンクは載せません。

⑤道具(工具)

ジョイント金具によって使用する工具が変わります。

かん太のシンプルタイプ:六角レンチの8㎜

六角レンチ(L字)8㎜

直行または自在クランプ:ラチェットレンチの17㎜(17×19とか17×21でOKです)

ラチェトレンチ17㎜ (ホームセンターにいけばもっと安いのもあります)

僕が使っているガチャガチャやかましい音がするのはソケットレンチというタイプですが、ハンドルとアタッチメントを合わせると安くても2,000円~くらいになります。短時間でいくつもセットを組み立てるとかでない限りは、この項で紹介したタイプで十分です。

3.組み立て方

共通

脚部パイプにゴムキャップをセットする。(4本)

かん太

S-1-3Kの場合
①飛び出ている方の2か所に脚部パイプを突っ込んで締める。(2セット)
②貫通穴に足場用パイプを突っ込んで締める。
S-5-3Yの場合
①どこでも良いので2か所に脚部パイプを突っ込んで締める。(2セット)
②残った穴に足場用パイプを突っ込んで締める。

直行クランプ

①脚部パイプのゴムキャップがない側を直行クランプで留める。(2セット)
②足場パイプをセットしたとき、外側になる方の脚にクランプをセットして好きな高さで足場パイプを留める。

4.最後に

という感じで、バランスバーについてまとめてみました。手軽に用意できるセットの中では安価で用途の幅が広いので、スペースに余裕がある方はぜひ作成してください。サイズをオーダーしていただければ実費+手間賃で作成も承ります。が、割高になるので「部品買って組み立てるだけ」なら自分で作った方が良くないですか?というのが正直なところです。ということで、やっぱりご自身で作成することをお勧めします!これも小さな挑戦、つまりパルクールです。常にパルクールマインドを意識して新しいことに取り組んでいきましょう!

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