この記事はこんな人におすすめ

健康のために運動を試したけど結果が出なかった
習慣的に運動時間を取るのはイヤ
運動しているけど故障したことがある

1.運動は「ただやるだけ」じゃ意味ない。

運動には様々な健康効果がありますが、「ただやるだけ」ではそのメリットを最大限に活かせないどころか、故障を助長してしまうのも事実です。では、どうすればいいのか?答えは簡単で「適切なフォームで動く」+「適切な力の使い方」です。適切な力の使い方というのは、「力の出し方や使い方・力の流れの仕組み・動作の仕組み等々」のからだの使い方を理解して実践できるということです。簡単に言い換えるとコツをつかんだ動きということになります。これができないと無理な動き方や力の使い方をしてしまい、トレーニングの効果が低くなるだけでなく、体を痛める原因になってしまうわけです。それでは、「ダメージをなるべく負わずに、最大限のメリットを得る方法」を考えていきましょう。

2.どうやったらコツをつかめるの?

これについては、個人でもトレーナーについてもらう場合でもやることは大差ありません。単純で確実な方法ですが、動きの一つ一つに対してマインドフルになれば良いのです。

・動かしている部位はどの様な軌道を通ったか?
・その時どこに力が入っていたか?
・それは意識して力を入れようした部位か?
・その動作をすることで違和感や痛みを感じることはないか?
・違和感や痛みを感じたとすればそれはどこか?

みたいに、自分の体に起こったことに注目して1回の動きから得られた刺激や変化を意識してください。そして、からだの仕組みを試して・評価して・修正するという手順を繰り返しましょう。今回のテーマはまずダメージを負わないことなので、コレ危ないかもと感じたところを基準に力の入れ方を変えていきます。ここで気を付けて欲しいのは、「腰に痛みや違和感を感じた→じゃあ腰とお腹に力を入れてみよう」みたいに、問題が起こった部位だけに焦点を当てない事です。そこが問題なこともあるのですが、そこと連動する別の部位に問題がある方が多いんです。この辺りを整理しないままトレーニングを続けてしまうと、無駄な力みのせいで使うべき力を発揮できなくなってしまい、ダメージが増えて、トレーニング効果は下がるみたいなことになりがちです。
例えば、腰の曲げや反りを抑制して安定させる場合、お腹の使い方が重要なんですが、腹直筋…いわゆるシックスパックを作るときの筋肉は「曲げる」ときに力を発揮しやすい筋肉なので、「安定」させるのには向いていません。安定に使うのは腹横筋…お腹の奥にあるコルセットみたいな筋肉ですね。こっちが重要です。そして、実は腰周りの安定にはお尻も重要な役割を果たします。じゃあ、この筋力を適切に使うには…といった感じで力を使う部分と使い方を変化させながら体=脳に覚えさます。この例の場合は、ジャンプ、スクワット、腕立て伏せ、これらが合わさったバーピーへの影響が大きく、ウェイト系も含めてほぼ全種目に効果があります。また、ただ歩くだけとか走るといった動作への影響も大きいので、運動どころかただ生活する上でも知っていないと損をします。
大事なことなのでもう一度言いますが、自分の体に起こる変化や刺激を意識して、評価して、動作の修正をすること。これがコツをつかむためのスタートラインです。

3.フォーム重視の落とし穴

冒頭で適切なフォーム+筋力の発揮と書いたのですが、本音を言えばフォームより筋力の発揮の仕方を重視してほしいんです。何故かというと、適切に筋力を発揮すると勝手に適切なフォームになるからです。柴田のパーソナルレッスンやコア・ブリージングの指導を受けていただいた方は「見た目のフォームは同じでも使える力が全然違う」「無理せずに従来より強い力を発揮できる」という経験をされているので、理解していただけると思います。フォームは良くても適切に力を使えないと、逆に故障しやすくなったり、臨んだ結果が得られなかったりします。フォームを良くすることで上手く力を使えるのではなく、上手く力を使うとフォームが良くなるということを頭の片隅に残していただければと思います。

4.指導の落とし穴

元々他のトレーナーさんの指導を受けておられて、そこでの伸びが良くないとか、言われた通りにやってもできなかったと仰る方もいらっしゃるのですが、そのトレーナーさんの指導も間違っておらず、その方々がいうコツは多くの場合、正しい。のですが、ここの落とし穴は指導する側にあります。トレーナー・師範の方々はもちろん「できる方」なんですが、「コツの仕組みや習得の手順」を具体的に、技術的に、誰でも再現可能なように説明できる方があまりいない。つまり、理論ではなく感覚で説明しているという印象を受けます。その理由は「〇〇先生に言われた意味がわかりました。」「この基本をもっと早く知っていたらすぐにコツを掴めた」というお言葉をいただく事が多いからです。なので、トレーナーさんの言ってることはやっぱり合ってるんですね。僕も経験がないスポーツのコツを聞いて「合理的だな~」と感心することが多いです。
ただ、これはやっぱり指導する側に問題があります。生徒さんとしては「分からないから指導を受けてるのに、感覚でコツをつかめって言われても…」って思うじゃないですか。指導者としては、「感覚で覚えさせたいなら受け手の感覚を技術として高める指導」を「理論的に身に着けさせるなら手順に従って、段階的に上達できる指導」をシチュエーションに合わせて適切に選択する必要があります。なので、受け手のモチベーションや取り組み方が著しく悪い場合、習得にそれなりの身体的な能力・技術を要する場合を除けば、コツが掴めないのは指導の方向性がかみ合っていない、または教える能力不足ということですね。

5.最後に

という感じで、運動からメリットを得ること+よくある落とし穴を紹介してみました。独学でやるには難しい部分もあるので、動画やトレーナーの指導を参考にするのは、間違いではありません。しかし、自分の体の感覚は自分にしかわからないので、情報を鵜呑みにするのではなく、参考にしつつ、自分の感覚ひとつひとつと向き合って、自己改善の意志を忘れずにトレーニングや運動や日常生活をしてみてはいかがでしょうか?それでは!