健康的な痩せ方・減量のペースってどれくらい?

今回は体脂肪を6%落とすためにした運動方法について紹介しようと思うのですが、前回のブログで書き忘れていたことを先に説明します。「どうして3か月で体脂肪6%ダウンというペースなのか?」と「どうして3か月かかる方法を選んだのか?」の2点です。「パーソナルトレーニングジムは2か月で何十kgとか落としてるのにそれっぽっちなの?」と思われるかもしれません。しかし、習慣化が難しく、厳しい節制を終えると急激にリバウンドするような方法は時間とお金と労力の無駄ですし、健康面にも悪い影響が出る可能性があります。僕がみなさんに知ってもらいたいのは、健康的な習慣を身につけることで、勝手に痩せやすい体になる方法です。これを念頭に置いて読んでいただければ幸いです。

どうして3か月で体脂肪マイナス6%というペースなのか?

健康的に痩せる方法=継続可能な生活習慣にする必要があるからです。極端なカロリーカットをすれば栄養バランスが崩れ生理的な機能が崩れる可能性があります。極端な運動をすれば体への負担が大きく、継続できたとしても故障するリスクが高くなります。どちらも習慣にするには健康面のリスク、精神的・肉体的なストレスも大きすぎます。なので、「より健康的で、無理せず続られて、目標を達成してもその生活が当たり前にできる方法にしよう」という発想で月2%(当時の体重で体脂肪1.3kg)程度を目標にしたわけです。

どうして3か月かかる方法を選んだのか?

最初に触れていますが、実践する方法自体を習慣化(自動化)して自身の生活スタイルにするためです。脳科学では、行動の習慣化(読書、勉強、整理整頓など)に約1ヶ月、身体的な習慣化(運動、ダイエット、早起きなど)に約3か月かかるとされています。今回は運動とダイエットが目的で、どちらも習慣化に3か月かかるため、まとめて行ってもさほど苦にならず、ゆるやかに結果が出ればOKという感じでストレスコントロールも含めて実践していました。また、運動習慣については、感染症が猛威をふるうご時世で環境を外部(ジムや屋外)に依存すれば、自粛等によりいつ影響が出るかわからないと考えたので自宅かつ屋内で継続できる方法を選んでいます。ちなみに、これを書いている時点でももちろん継続しています。というか習慣なのでやって当たり前、やらないと気持ち悪いというレベルです。

有酸素運動はしなくてもいいの?

結論からいうと、ある程度やっていましたが、長時間の有酸素運動はダイエット(食事制限)に逆効果になる可能性があるので、長くても30分以内で切り上げていました。頻度は高強度インターバルトレーニングを週に3回30分ほど。心肺機能の強化とミトコンドリアの活性を目的に行っていましたが、脂肪燃焼にも効果があります。ある程度の運動習慣がある方にはおすすめですが、運動習慣のない方は一般的な有酸素運動を20~30分くらい行いましょう。
ちなみに、長時間の有酸素運動によるデメリットは、コルチゾールの分泌増加による、食欲増進・成長ホルモンの働きが阻害され基礎代謝の低下・インスリン分泌増加により脂肪を貯め込みやすくなる・活性酸素による老化の促進などです。45分ほど継続するとコルチゾールの分泌が多くなるようなので、ダイエットを目的にするなら余裕をもって30分くらいで切り上げましょう。

外出せずにできる運動とは?

代表的なものは自重で行える筋トレやストレッチです。カリステニクスやヨガ・ピラティスなどのエクササイズの中から簡単なものを選んで実践しましょう。僕の場合は、平面でできるパルクールの基本動作で高強度インターバルトレーニングをしたり、簡単な動作をひたすらゆるやかに行ったりしていました。これでも運動時間を取って行う運動は減らしていますし、運動強度も下がっています。
とはいえ、それだけではそこまでカロリーは消費されないので、自分で考案したトレーニング(コア・ブリージング)を使って何もしていないときの活動量を増やし続けていました。簡単に説明すると「日常の中で筋力を上手に、かつ少し余分に使って生活する」トレーニングです。1時間の運動を頑張ってエネルギーを稼ぐのではなく、起きている16時間の活動量をできるだけ高くして平均値を上げています。日常生活をエクササイズにするとも言えます。姿勢のコントロール、力の使い方、呼吸の影響を理解する、の3つができればOKです。エクササイズの基本はYouTubeチャンネルで紹介しているので一度ご覧ください。猫背や巻き肩や反り腰などの症状があって、背中や腰に問題を抱えている方は体幹部の姿勢から見直すと改善するかもしれません。

体幹を締める状態を作っていると、ある程度までは勝手に姿勢が良くなります。姿勢が整ってくると、足裏から手指の先まで多くの筋肉を連動させて体を使えようになり、活動量が増えて代謝が上がります。悪い姿勢だと動員できない部位が多くなることで活動量が下がることに加えて、特定部位に負荷が偏りやすいので故障しやすくなります。四十肩、五十肩などで悩まれている方もこのパターンが多いです。「普通に生活していて、無理なことはしていないのに関節が痛い(動きづらい)」とおっしゃる方がいますが、その普通がそもそも悪い動作だと安静にしていても一生治りません。参考までに、肩の可動域を確かめる時によくする、手を伸ばしたまま横向きに上げる動きを重り(長さ1.6m、重さ4.3kgの単管パイプ)を持って試したのでご覧ください。

5~8秒のところでは、全力を出して地面から僅かに浮いていますが持ち上がりません。これは多くの方が(普通と思って)やりがちな肩関節の使い方です。背中の筋力をまともに使えていないので、三角筋(肩の側面)に負荷が集中して肩関節に過剰な負荷がかかります。投球や投てきで肩が上手く回らない、痛めるという方もこれを疑ってください。14~20秒のところでは、肩甲骨周辺の筋肉で腕を体に引きつける力、三角筋は腕を上げる力をメインにといった感じで負荷を分担しています。三角筋は余力をもって使えるので部分的にエネルギー消費は落ちていますが、より大きい筋肉をより多く使っているので全体のエネルギー消費は上がります。燃費が悪くなる(代謝がよくなる)けど、部品の消耗(関節へのダメージ)は減るという体の使い方です。

結局、日常生活をエクササイズにするってどういうこと?

動画で紹介したのはごく一部の例ですが、姿勢を正す、腕を持ち上げるのように、ぱっと見では特別なことをしていないように見えても、体を使える人とそうでない人を比べると、活動量も故障リスクも違ってくるわけです。日常生活レベルで、何かが「できている」からスタイルが良くて・痩せやすく・故障しにくい、何かが「できていない」からスタイルが悪くて・太りやすく・故障しやすい。これが全てではありませんが、ただ生きているだけで大きな差が生まれる一因です。この辺りを改善するのが、僕が考案したコア・ブリージングというトレーニング方法です。興味がある方は、気軽にお問い合わせください。

その後のお話

余談ですが、4か月目に入ってコア・ブリージングの手法を徹底的に実践してみたところ、2週間で体脂肪がさらに2%以上も下がる事態になりまして…8%台に突入したあたりで筋肉痛がおさまらない事にも気づき、さすがにヤッベェと思ったので、トレーニングを元の強度に戻して、体脂肪も多少下振れしても気にならない12%まで戻しました。これ、1日だけ低かったとかではなく、継続して低い状態が続いていたので単なる計測値の下振れではなかったと思います。何事もやりすぎは良くないですよというお話でした。